本研究の最終年度に当たる平成28年度では、研究成果のまとめとその公表及び学界との意見交換を中心として、主に以下のような研究活動を行いました。(1)華中師範大学中国近代史研究所が主催する「中国近代大学研究諮問会」、広州中山大学歴史学部が主催する「近代教育史の課題と展望討論会」に出席し、本研究プロジェクト内容の一部について紹介・発表し、武漢と広州の大学と研究機関に所属する研究者と本研究の内容及び現在中国の歴史教育の実情、教科書の編纂・使用状況などについて、意見交換を行いました。(2)中国の武漢で開催された「辛亥革命105周年記念国際シンポジウム」に参加し、本研究プロジェクト内容の一部を紹介・発表しました。(3)武漢と深せんでは、大学出版社や政府機関の文化文史関係の責任者らと面会し、中国の出版状況、出版計画の立て方、社会人向けの文化・歴史学習など社会教育の実情を聞き取り、意見交換を行いました。(4)武漢のと広州の大学では、学部生と大学院生たちの読書会、座談会に参加し、ゲストとして話題提起し、中国の若者たちの「現在」の対外関心・歴史問題に対する認識を直接聞き出し、研究の素材を得ることができました。(5)千葉商科大学外国人研究員・武漢紡績大学副教授の劉艶氏を迎え、「中国現役大学生たちの日本イメージの実態と変遷」をテーマとする講演会を開催し、また台湾中央研究院近代史研究所研究員(教授)の黄自進氏を迎え、本研究の研究報告書の一部の内容について、助言と補足資料の提供を依頼し、実現できました。(6)足りない資料と日・中学界の最新研究動向を知るための新刊書籍などを必要に応じ購入・複写し、資料面でのさらなる充実を図りました。(7)本研究の成果として、研究報告書のほか、著作という形で公表し、社会に還元すべきと考え、研究著書の執筆を進めています。
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