インドシナ半島諸国の地域格差の是正を主目的とする地域政策をみる際には、タイとその他の諸国とを分けてみた方が良いだろう。タイは産業政策と一体化した地域政策が以前から実施されてきた。その他の諸国は、産業政策と明確に区別される独自の政策体系としての地域政策はまだ充分には確立していない。それらの諸国では国民統合の実現と経済・産業政策の確立などのために、独自の政策としての地域政策を実施できる段階ではない。ミャンマーのように国民統合の観点から首都機能の移転による空間政策が重要な役割を果たす国もある。ベトナム、カンボジアやラオスでは、産業政策、空間政策と地域政策が一体化して推進されている。
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