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2016 年度 実績報告書

中国東北部における韓国系独立運動関連史跡の観光地化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25360029
研究機関立命館大学

研究代表者

佐々 充昭  立命館大学, 文学部, 教授 (50411137)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード青山里戦闘 / 金佐鎮将軍記念事業会 / 朝鮮民族独立運動 / 延辺朝鮮族 / 観光地化 / 東北行程 / 高句麗・渤海 / 大イ宗教幹部の徐一
研究実績の概要

最終年度である平成28年度は、これまで行ってきた資料調査及び現地調査の成果を論文としてまとめる作業を行った。その結果、日本の学術誌に日本語の論文3本と韓国の学術誌に韓国語の論文1本を発表した。
今年度は特に青山里戦闘(1920年10月中国吉林省和龍県内において朝鮮の抗日武装集団と日本軍との間で戦われた戦闘)に関連する史跡地に焦点を当てて研究を進めた。現在の韓国では、青山里戦闘を抗日独立運動史上最大の戦果を収めた戦いと評価し、中国内において関連史跡の整備を進めている。また、青山里戦闘に関連する史跡地の顕彰は、日韓関係・日中関係・中韓関係を含む東アジア全体の政治・経済・外交関係の影響を大きく受けたものとなっている。本年度は、過年度に行った吉林省延辺朝鮮族自治州内の青山里大捷記念碑や黒龍江省内の金佐鎮将軍関連史跡に関する現地調査の成果をもとに、青山里戦闘関連史跡の観光地化をめぐる諸問題について論じた論文を日本の学術誌に発表した。それらの論文を通じて、青山里戦闘における朝鮮側の戦果が大韓民国の右派民族主義言説によって過度に誇張されている事実や、中韓間で繰り広げられている歴史認識論争(「東北工程」をめぐる諸問題)にもかかわらず、中国朝鮮族の仲介等によって金佐鎮将軍関連施設の整備が大々的に推進されている点、しかしながら、それら関連諸施設の保存・管理の在り方は中韓間の政治情勢から大きな影響を受けている点などについて明らかにした。
また、上記の研究過程において、1920年代に中国領内で活動した朝鮮の抗日独立運動家たちの中に、中国人アナーキストの影響を受けて無政府主義に傾倒する者がいることを見出し、その代表的な事例として趙素昴(韓国独立党の代表格であり後に大韓民国建国綱領を構想した人物)が提唱したアナーキズム思想に関する論文を韓国の学術誌に発表した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 青山里戦闘において大イ宗教が果たした役割-ロシア革命派からの武器入手を中心に-2017

    • 著者名/発表者名
      佐々充昭
    • 雑誌名

      朝鮮学報

      巻: 第242輯 ページ: 1-36

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 東北アジアの歴史記憶とツーリズム-中国内における金佐鎮将軍記念事業会の活動をめぐって-2017

    • 著者名/発表者名
      佐々充昭
    • 雑誌名

      立命館大学人文科学研究所紀要

      巻: 第111号 ページ: 87-122

  • [雑誌論文] 北路軍政署の創設と大イ宗教-総裁・徐一の活動を中心に-2017

    • 著者名/発表者名
      佐々充昭
    • 雑誌名

      立命館国際地域研究

      巻: 第45号 ページ: 135-151

  • [雑誌論文] 趙素昴の大同思想とアナーキズム-『六聖教』の構想と『韓薩任』の結成を中心に-(韓国語)2016

    • 著者名/発表者名
      佐々充昭
    • 雑誌名

      韓国宗教

      巻: 第40輯 ページ: 221-246

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公開日: 2018-01-16  

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