1992年中韓国交正常化の後、中韓の歴史学者を中心に中国内にある韓国系独立運動関連史跡に関する調査が行われた。その後、中韓関係の緊密化により、それらの中の重要なものが韓国系資本によって整備・復元された。特に中国東北部には数多くの関連史跡が存在し、それらは今や多くの韓国人旅行者たちが訪れる有名な観光地となっている。またこの地域は、高句麗の帰属をめぐって中韓間で歴史認識論争が行われている場所でもある。本研究では、中韓間で先鋭化している歴史認識論争や中国内の朝鮮族コミュニティーの動向と関連づけながら、中国東北部において観光地化が進んでいる韓国系独立運動関連史跡の実態について明らかにした。
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