タイ東北部におけるゴム・アブラヤシ栽培がどのように拡大してきたか、それによって、人々の生活、地域の生態環境がどのように変化してきたのかを、政府の政策や社会全体の動きと関係づけて分析を行った。 研究成果として、ゴムについては、1)従来、水田耕作を中心にした自給的生業・生活世界が解体され、グローバルなゴム産業の ネットワークに統合・再編されつつあること、2)現金収入が安定的に増加し、生活スタイルや教育水準の面で農民の中間層化が進行しつつあること、が明らかになった。アブラヤシについては、土壌・水の条件がよい限られた地域で栽培されているが、現状、広域に広がる可能性は低いことがわかった。
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