ロシアと中央アジアにおける労働力移動とジェンダーの変容を高齢者ケアの観点から明らかにするために、文献資料および現地での聞き取り調査結果を使用した。 その結果、高齢者介護に関する法律は実在し、公的介護施設や在宅介護制度も整っているようではあるものの、非常に限られた高齢者しか実際には利用できないことが明らかになった。多くの場合、親戚を含めた家族総動員で高齢者介護をやりくりしており、負担は主に女性が担っている。また、ロシアでは公的および民間のケアを利用せず、ツテを使って個人的にシジェルカとして高齢者介護をケアする人を探すという方法が広がっている。今後、移民労働者が高齢者介護を担う可能性も排除できない。
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