2009年の政変ののち、マダガスカル政府は統治能力を低下させたが、外交関係では前政権の政策を踏襲し、海外の企業やNGOの活動を大幅に認めてきた。政府の統制を受けないこのような活動を、本研究の代表者は「バイパス型私企業活動」と呼び、それが村落生活に与える影響を調査した。 調査期間中の2013年、大統領選挙が実施されて暫定統治は終了したものの、政府の統治能力が十全に回復したとはいえない。こうしたなかで調査村落では、人道支援NGOから支援を受けて、伝統的景観の再現という大プロジェクトが実施された。観光客を呼びこむ効果は期待できるが、伝統的住居に用いる木材資源が枯渇するおそれなしとしない。
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