研究課題/領域番号 |
25360036
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 |
研究代表者 |
佐藤 創 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, その他部局等, 研究員 (40450514)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | インド / 南アジア / 公益訴訟 / 環境 / 国際情報交換 |
研究概要 |
初年度である平成25年度においては、インド公益訴訟にかんする文献とデータの収集と整理を進めた。公益訴訟の実像を明らかにするためには、形式面と内容面の双方から検討する必要がある。形式面では、とくにどの裁判所のどの管轄権に係属したのかを一つ一つ確認する必要がある。令状訴訟など上位裁判所の原審管轄権として訴訟となっているのか、特別上告など上訴管轄権かという問題である。内容面では、どのような内容の訴訟が公益訴訟として提起されているかという問題である。公益訴訟の誕生当初は末端行政機関の非道から文字さえ読めないような弱者を救済するという性格の訴訟が多かったものの、その後、内容は多様化したと考えられ、その確認作業である。 おもにAll India Reporterによる判例の検討を進めた結果、形式面では1980年代に比べると令状管轄権に帰属するケースの比重が高まっていると考えらえ、内容面では1980年代に重要であった警察の非道や債務労働による搾取問題よりも、環境問題と政治腐敗問題の比重が高まっていると示唆された。その裏付け作業を他の資料ソースによっても進めている。 また、公益訴訟の大きな比重を占めるに至っている環境問題をさらにいくつかのまとまりに細分化する必要があるが、この点は、インドの公益訴訟だけでなく、環境問題の取り組みや環境訴訟の蓄積の厚い先進国の議論を参考にする必要があり、文献調査を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に予定していたインド公益訴訟にかんするデータの収集と整理は、収集については順調に進展している。整理分類については、細かい分類について新たな検討事項がいくつか生じているものの、おおむね順調に進呈している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策としては、研究計画・方法に基づき、引き続きインド公益訴訟の定量的・定性的な把握を深めると同時に、社会的・経済的影響の顕著に大きかったと考えられるケースを絞り込み、選定したケースについて、現地に赴きインタビューや資料の収集を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度に予定していた現地調査を、二年度目に実施することにしたため。 二年度目に、現地調査を複数回、実施する予定としている。
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