研究課題/領域番号 |
25360038
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鳥山 まどか 北海道大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (40459962)
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研究分担者 |
松本 伊智朗 北海道大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (20199863)
藤原 里佐 北星学園大学短期大学部, その他部局等, 教授 (80341684)
中澤 香織 旭川大学, 保健福祉学部, 准教授 (80640474)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 女性 / 家族 / 母子生活支援施設 / 借金 / ケア / 権力 |
研究実績の概要 |
当該年度に実施した調査は大きく分けて次の2つである。ひとつは、オックスフォードの低所得地域にある民間相談機関であるAgnes Smith Advice Centre(以下、ASAC)での実地調査、もうひとつはA県内の母子生活支援施設調査(2年計画の1年目)である。 ASACは、オックスフォードのBlackbird Leys地区にあり、地域住民の借金や金銭管理、福祉給付、住宅問題、雇用等に関する相談を受け、継続的な相談支援にあたったり、他機関につないだりする活動を行っている。ASACが行っている相談活動のうち、Drop-in sessionに同席する形で調査を実施した。この調査の目的は、イギリスにおける生活問題の現状と、そうした問題に対する実際の支援について捉えること、得られた知見を日本での調査に生かすことである。10日間で延べ39件のDrop-in sessionに同席した。主たる相談者は女性が19名、男性が20名であった。福祉給付の手続きについての相談が16、利用できる制度を知りたいというものが7、家族状況の変化等により給付がカットになって生活に困っているという相談が3、住宅に関する相談が6、借金や滞納に関する相談が5、その他7という相談内訳であった(内訳は重複あり)。 母子生活支援施設調査については、A県内のすべての母子生活支援施設(計10ケ所)で、26年度・27年度の2年間で施設調査・利用者調査・職員調査を実施する。26年度は施設調査を実施した。また、職員調査実施のための予備的なヒアリングを行った。施設調査は全国母子生活支援施設協議会が定期的に実施している調査を元に設計し、全国とA県との比較ができるようにした。施設調査票は現在回収中である。また、職員への予備ヒアリングを元に、アンケート調査項目、インタビュー調査項目の設計に入った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画時に予定していた施設種類を変更し、母子生活支援施設での調査に集中することとしたが、研究目的そのものに変更はない。最終年度にあたる27年度内に母子生活支援施設調査を完了し、議論の総括を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
A県内全10ヶ所の母子生活支援施設調査を継続する。27年度は職員調査(アンケート調査およびインタビュー調査)、利用者調査(アンケート調査)を実施する。一連の母子生活支援施設調査で得られた結果については、報告書を作成する。また、27年度は最終年度であることから、議論の総括を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究協力者の旅費の1回分について、支弁の必要がなくなったため(別用務とあわせての移動により、本研究費を使用する必要がなくなった)
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次年度使用額の使用計画 |
27年度の母子生活支援施設調査に要する費用(調査協力謝金、旅費、雑費)に追加して使用する予定である。
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