研究課題/領域番号 |
25360042
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
三枝 麻由美 名古屋大学, 男女共同参画室, 准教授 (10359664)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 男女共同参画 / ジェンダー / フランス / スウェーデン / 社会変容 |
研究実績の概要 |
本研究の四年目にあたる平成28年度は、下記の研究活動を行った。 ① 既存研究調査(男女共同参画に関するフランス、スウェーデン、日本に関する文献調査)、②日本、スウェーデン、フランスにおけるインタビュー調査(フランス調査は11月に、スウェーデン調査は2月に行い、両国での女性活動家を中心にインタビュー調査を行った)、③本研究の口頭発表として、7月に国際社会学会(ウィーン)および2月に名古屋大学で開催された「ジェンダー平等の今」と題したシンポジウムにて、研究発表を行った。また2月にルンド大学(スウェーデン)アジア研究科においてGender Equality in Japanの講義を行った。
平成28年度の研究活動により分析できた点は以下である。 フランスは、女性運動家が中心となり、メディアや社会党を巻き込み、ジェンダー平等を進めていった。現在は、パリテが政治だけでなく、経済分野に拡大し、社会的な流れとなっている。しかしながら、社会党政権への世論の支持が率が極めて低く、ジェンダー平等への歩みは次期政権次第の側面が強い。スウェーデンは、ジェンダー主流化を選択したものの、具体的に進めるにあたり、方法論でつまづき、ジェンダー平等への歩みは停滞をしてしまった。しかしながら、2014年に社会民主党が政権に復帰してから、ジェンダー主流化を進めるための具体策が検討され、停滞期を脱している。両国において、ジェンダー平等は時の政権によりその歩みが左右される傾向が高いことがわかった
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度は業務が多忙となり、まとまった研究時間を確保することが非常に難しかった。これまで収集したデータを分析し、論文や書籍で研究成果を発表する予定であったが、それらの作業を行う時間を持つことが難しかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度に行う活動は、以下である。 ①これまで収集したデータの分析、日本、フランス、スウェーデンの3カ国のジェンダー平等への歩みの比較、さらにはポジティブ・アクションとジェンダー主流化の概念上の相違を明確にする。論文や書籍の形態で本研究の成果を発表する。 ②論文や書籍といった形態で、本研究の成果を公表する。 ③本研究で得た知見を、ジェンダー平等に関する授業の中で発表していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度は、業務多忙により、研究の進捗状況に遅れが生じたため、データ分析や論文などの研究発表成果を行うことができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は、残りの金額を利用して、データ分析および研究成果の発表を行う。
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