本研究はLTTEの元女性兵士の社会復帰支援を取り上げその現状と問題点を把握し、国際援助レジームが復興支援の中で元女性兵士の社会復帰支援をどう位置付けたのか、国連安保理決議1325との関係性を踏まえ明らかにすることを目的とした。紛争後、女性の元兵士が自らを「不可視化」させる傾向が強く見られた。これはコミュニティや親族から排除されるリスクを回避した結果であった。しかし同時に、彼女たちは伝統的なジェンダー規範や社会への抵抗を強く感じ、孤立を深める現状が見られた。女性の多様な紛争への関わり方を認識する決議や枠組みが整備されているが、既存の社会復帰支援策は、女性の元兵士には新たな「リスク」となっている。
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