今後の研究の推進方策 |
引き続き、ふたつのスキームの再建過程と男女共同参画の進展状況をモニターする。 ボボナロ県マリアナ第一スキームでは、9月にコミュニティーでの女性農民向けワークショップを開催する予定である。また、マリアナでは昨年ドメスティックバイオレンス被害者のためのシェルターが開設された。同所の活動として畑作を開始する計画があり、農業水利に関するワークショップの開催を要請されており、協力する予定である。これらを通じて女性農民が抱える課題に関して参与観察を行う。マヌファヒ県カラウルンスキームに関しては、改修計画と水利組織再建に関するモニターを首都と現地で継続する。これまでに発見したハード面の技術的課題に関しては内外の技術情報にアクセスし、解決策に関するリサーチを試みる。 国政レベルでは、農水省における「ジェンダー政策文書案」の取り扱いについてモニタリングを継続する。あわせて、JICA(国際協力機構)が支援する「東ティモール農業開発マスタープラン」(灌漑開発分野を含む)の作成過程と成果物について、水利行政改革と男女共同参画の観点から評価を行う。 文献研究では、日本の女性研究者が行っている農業水利の研究と開発協力実践に注目し、男女共同参画のグッドプラクティスを探る。あわせて、国連FAOが近年改訂したSEAGA(社会経済ジェンダー分析)の灌漑分野に関するガイドブック, Margareet Zwarteveen, Sara Ahmed, Suman Rimal Gautam ed., Diverting the Flow - Gender Equality and Water in South Asia (2012) などの研究書も参照する。 本年度は研究の最終年度であるため、現地語と日本語でこれまでの知見をペーパーにまとめ、現地の関係者と共有をはかる。
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