| 研究課題/領域番号 |
25360055
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| 研究機関 | 大谷大学 |
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研究代表者 |
赤枝 香奈子 大谷大学, 文学部, 講師 (00536576)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| キーワード | セクシュアル・マイノリティ / 同性愛 / レズビアン / 人権 / フィンランド / グローバル化 |
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| 研究実績の概要 |
平成26年度は、平成25年度に引き続き、日本の女性同性愛に対するホモフォビアがどのように形成されていったかを明らかにするための新聞・雑誌記事の収集、分析を行った。また、セクシュアル・マイノリティにとってより望ましい社会的包摂のあり方を検討するため、同性婚や同性間のパートナーシップ制度をテーマとするシンポジウムや「セクシュアル・マイノリティの医療・福祉・教育を考える全国大会」等に参加し、日本のセクシュアル・マイノリティをめぐる現状や包摂のあり方について調査した。
フィンランドで夏に行った現地調査では、昨年度に引き続き、マイノリティの文化的包摂にかんする提案および実践にかかわる活動団体Culture for Allにてインタビュー調査を行ったほか、セクシュアル・マイノリティの支援を行っている全国組織SETAのヘルシンキ支部や、Mummolaaksoという中高年のレズビアン、バイセクシュアル女性を中心とする活動団体のメンバーに対するインタビュー調査を行った。そのほか、ヘルシンキ大学図書館等でセクシュアル・マイノリティの社会的包摂に関係する文献資料、特にマイノリティの人権にかんする法整備に関係する資料調査および収集を行った。
日本と異なり、同性間パートナーシップ制度を導入しているフィンランドで、導入後もセクシュアル・マイノリティをめぐってどのような問題や課題が見られるのか、またそれらに対してどのような解決方法が提起、実践されているのかを知ることができたことで、日本で現在進行中のセクシュアル・マイノリティの包摂をめぐって、いかなる課題が生じうるかを予測する手掛かりを得ることができた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フィンランドでの現地調査では、20周年を迎えたMummolaaksoの記念イベントに参加したことで、現時点でのメンバーの全体像について知見を得ることができたほか、インタビュー調査ではこの20年間の歴史――結成された経緯やその後の活動やメンバーの変化など――について話を聞くことができた。また複数の活動団体で高齢化がテーマとなりつつある状況について情報を得たことで、セクシュアル・マイノリティの社会的包摂にかんする活動やアプローチの多様性や必要性について、より広い知見を得ることができた。日本との社会保障や結婚観の違いから、活動団体に求められることに大きな差異があることも明らかになった。
また、これまでの研究成果をもとに「結婚」をテーマとするシンポジウムでレズビアンの結婚をテーマとした研究発表を行うなど、研究の蓄積に基づく成果の発表も徐々に進んでいる。
日本の女性同性愛に対するホモフォビア形成に関連する文献資料については、まだ収集しきれていないものもあるため、次年度も引き続き、資料調査および収集を行う予定である。
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| 今後の研究の推進方策 |
次年度は、本研究の最終年度ということで、平成25、26年度の文献資料収集とインタビュー調査の結果を整理し、不十分な点については適宜、日本およびフィンランドで補充調査を行う。そしてこれまでの研究成果をもとに、戦後から現在に至るまでの日本の女性同性愛にかんするホモフォビアの生成について検討し、レズビアンを中心とするセクシュアル・マイノリティの社会的包摂にかんする理論的研究を行い、論文としてまとめる。さらに、本研究における研究成果を広く公開し、議論を深めていくために、研究者や活動団体の関係者を招いて、グローバル化時代におけるセクシュアル・マイノリティの社会的包摂をテーマとするワークショップを開催する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
当初、本研究の成果を海外の学会で発表する予定にしていたが、当該学会の開催が延期となり、支出予定であった旅費を使用する機会がなくなったため、次年度使用額が生じた。
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| 次年度使用額の使用計画 |
上記の学会が次年度中に開催されるかどうかは不明であり、また次年度は当初予定していたよりもフィールドワークの回数が増えることが予想されるため、そのための旅費として使用する予定である。
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