近年、日本ではセクシュアル・マイノリティに関する新たな団体が誕生し、また団体のネットワーク化が進むなど、運動が活発化している。そこでの主なトピックは、生きづらさを抱えるセクシュアル・マイノリティの支援や同性カップルの公的承認の要求であり、背後には国連などが主導する新たな「人権」概念が存在する。しかしながらセクシュアル・マイノリティの社会への包摂には多様なあり方が存在し、そのうち歴史を再発見し、保存することの重要性は見過ごされている。そこで本研究の締めくくりとして、同性同士の親密な関係を生きた女性たちを発掘し、オルタナティブな歴史を描き出すことを目的とした講演会を開催し、議論を深めた。
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