国連機関やNGOの多くが「開発における権利・人権アプローチ(権利アプローチ)」を採用するようになっているが、特に女性の権利に関しては、「伝統」や「文化」を理由とする反発も根強く、文化の多様性や特異性に配慮した丁寧な取り組みが求められる。 本研究では、「権利アプローチ」に基づいて活動するインドのNGOの協力を得てフィールド調査を実施し、女性たちが、「伝統」「文化」を理由とする抵抗に対し、どのような戦略を駆使し対応・克服しているかに関する知見を得た。「対話を通じた協議・調整」を促進する丁寧なコミュニケーションや、権利意識を共有する親密なネットワークの支援が重要な役割を果たすことが理解できた。
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