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2015 年度 実績報告書

現代的力能実在論に基づく因果論と実体存在論

研究課題

研究課題/領域番号 25370007
研究機関埼玉大学

研究代表者

加地 大介  埼玉大学, 人文社会科学研究科(系), 教授 (50251145)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード力能 / 様相 / 実体 / 因果
研究実績の概要

力能は「必然性」と「可能性」という両方の真理様相に関連づけられているので、少なくとも第一次近似的には力能的様相は一種の必然性であると考えるべきなのか、それとも可能性と考えるべきなのか、ということが問題となりうる。また、様相論という観点からすると、力能と形而上学的様相の関係、すなわち、力能に伴う様相は形而上学的様相の一種なのか、あるいは逆に、形而上学的様相を力能的様相に還元しうるのか、それとも両者はまったく別種のものと考えるべきなのか、ということも問題として浮かび上がる。
力能と様相にまつわるこの二つの問題は、実体的対象の存在論的性格について考察するうえでいずれも重要であるので、現代の代表的実体主義者と考えられるジョナサン・ロウやバーバラ・ヴェターによって提示された議論に着目しながら、その二つの問題について検討した。その結果、次のような結論を得た:

力能は、刺激を前件として発現を後件とするような反実条件法によってではなく、発現のみによって個別化されるべき性質であり、その様相的本性は、反実条件法によって規定される条件的必然性ではなく、その発現に向かっているという意味での、程度を伴う一種の可能性としての潜在性である。そしてその潜在性は、広い意味での形而上学的可能性のなかの独特の一種として捉えられるべきである。
また、これに伴い、原因としての刺激とそれが直後にもたらす結果としての発現という、ふたつの連続するできごとを因果項とする、いわゆる「因果のtwo-eventモデル」を、原因としての実体がその因果的力能を行使・発現するプロセスによってその力能の受容者が変化するプロセスを同時的に結果としてもたらすという、いわば「因果のthings-processモデル」に変更していくことが求められる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 力能と様相2015

    • 著者名/発表者名
      加地大介
    • 雑誌名

      埼玉大学紀要. 教養学部

      巻: 51(2) ページ: 65-80

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 様相と力能2015

    • 著者名/発表者名
      加地 大介
    • 学会等名
      哲学会第54回研究発表大会
    • 発表場所
      東京大学(本郷キャンパス, 東京都文京区)
    • 年月日
      2015-10-31
    • 招待講演
  • [備考] researchmap

    • URL

      http://researchmap.jp/kachi/

  • [備考] SUCRA

    • URL

      http://sucra.saitama-u.ac.jp/modules/xoonips/itemselect.php?op=quicksearch&keyword=%E5%8A%A0%E5%9C%B0&search_itemtype=all

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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