力能実在論に基づいて実体と因果に関する次の結論を得た: (1)力能は、発現のみによって個別化されるべき性質であり、その様相的本性は、その発現に向かっているという意味での、程度を伴う一種の可能性としての潜在性である。そして力能は、本質および持続と並ぶ、実体的対象にまつわる形而上学的様相の源泉のひとつとして捉えられるべきである。 (2)ふたつの連続するできごとを因果項とする「できごと因果モデル」を、原因としての実体的対象がその因果的力能を行使・発現するプロセスによって、その力能の受容者が変化するプロセスを同時的に結果としてもたらすと考える「因果の〈実体-プロセス〉モデル」に変更していくべきである。
|