本研究は、(1)「疾病と障害の哲学」の研究、(2)「当事者研究」と「哲学カウンセリング」に関する研究、(3)「疾病と障害の哲学」の研究と「当事者研究」と「哲学カウンセリング」に関する研究を総合した新たな自助実践の構築、という三段階で進めてきた。 特に、哲学カウンセリングを応用し、当事者が自らの障害を日常的に考察するだけでなく、障害がその当事者の行動や生き方にどのように影響を与えるのかということを哲学的に研究する新たな自助実践のあり方を考えた。これまで医療的にも社会福祉的にも保護の客体として位置づけられてきた障害者を社会の成員として捉え直す哲学的理論・実践、哲学的当事者研究を提起した。
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