まず、ライプニッツによる「有機的物体」のモデルとしての「テセウスの船」のパズル解決、「実体形相の復権」、原子論との差異化のなかでの「自然の真の原子」としての「モナド」導入の意義を解明した。また、ライプニッツの場合、生物が「無限」を内包するだけでなく、「寄せ集め」から区別され、発生学の文脈では、発展的に「進化する自然機械」として把握される点も示した。さらに、生気論との対決から、その生物哲学の「機械論」と「目的論」の両立が生物全般に「拡張された予定調和説」として理解できる点も論証した。以上を通じライプニッツの生物哲学の従来問題とならなかった重要な局面に光を当てることができた。
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