ハイデガーとユンガーに焦点を当て、現代社会に蔓延するニヒリズムの中での我々人間存在の在り方を解明した。 具体的には、ニヒリズムの中では人間存在が「労働者(Arbeiter)」としてのみ把握されることを手引きとして、現代は人間存在がそれ自身に固有の意味や価値を剥奪されて、ただただ外的な目的に資するという尺度でのみ規定される時代であることが剔抉された。また、そうした経緯の中で「労働」のあり方そのものが変質を被って、人間存在そのものの意義を無化(Vernichtung)するあり方を呈するようになったことに対して、「労働」の現代的あり方を本来的なあり方へと転換するための視座を提示した。
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