本研究では、今世紀に入って急速な進歩を遂げたソーシャル・ネットワークやクラウド、動的検索技術、電子書籍といったインターネット上のメディアテクノロジーを、ラジオ・テレビといった旧来のマスメディア技術とともに、独自の“種”をなす「技術」として概念規定し、「技術哲学」の観点から批判的省察を行った。「メディア」を技術哲学の対象とすることで、これまで個々別々になされてきた情報倫理や情報社会論、メディア史に共有可能な理論的視座を設定すると同時に、高度情報社会時代における「技術」の現段階の哲学的把握にも寄与できると考える。
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