研究課題/領域番号 |
25370033
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
本田 康二郎 金沢医科大学, 一般教育機構, 講師 (40410302)
|
研究分担者 |
久木田 水生 大阪大学, 人間科学研究科, 特任研究員 (10648869)
神崎 宣次 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (50422910)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 国際学会パネル / 学術雑誌特集 / 学際交流 / 学会口頭発表 |
研究概要 |
平成25年度の研究成果としてまず特筆すべきことは、7月にリスボンで開催された18th International Conference of the Society for Philosophy and Technologyにて、Panel: Social Implementation of robots in Japan and its ethical implication(Chair: Kojiro Honda)を主催したことである。本田(研究代表)、神崎(研究分担)、久木田(研究分担)、大家(研究協力)、岡本(研究協力)の五名がそれぞれ研究発表を行い、日本におけるロボット倫理学の研究状況について欧米の研究者らと意見交換を行った。これからロボット倫理学の分野で貢献していこうという日本人研究者側の意思を、国際会議の場で表明する絶好の機会となった。 また、成果物としては、南山大学社会倫理研究所発行の『社会と倫理』第28号(2013年12月発刊)にて神崎(研究分担)の編集により「特集:ロボット・社会・倫理」を組むことができた。この中で、本田(研究代表)、久木田(研究分担)、西條(研究協力)、岡本(研究協力)の四名がそれぞれ寄稿し、「ロボット倫理学のスターター・キット」(神崎)として多方面からロボット倫理について論じた。 最後に、メンバーらは大阪大学工学部および基礎工学部で開催された認知脳GCOEテーマ別創成塾「ロボット工学と倫理」に積極的に参加(月に一回)し、ロボット工学者との交流を深めた。大家・西條(研究協力)は、第5回のミーティングにて「性愛の対象としてのロボットと倫理的問題点」を発表し工学者らと熱い議論を交わした。久木田(研究分担)はこのミーティングをコーディネートし、積極的に交流の機会を増やした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
一年目の研究計画(①~④)にそって、達成度を述べていく。 ①毎月一回、「ロボットの応用哲学研究会」を開催して、互いのテーマに沿った文献紹介および研究進捗状況の報告を行う:【達成した】毎月研究会を開き、文献サーヴェイの報告および研究進捗状況の確認、さらに研究計画の確認を行っていった。その成果は、南山大学社会倫理研究所発行の『社会と倫理』第28号にて神崎(研究分担)の編集により「特集:ロボット・社会・倫理」を組む形で出版された。 ②大阪大学人間科学研究科GCOE「認知脳理解に基づく未来工学創成」において定期的に研究会に参加し、ロボット工学者と交流する:【達成した】毎月研究会を開き、ロボット工学者と議論する機会を作ることができた。 ③平成25年度は、7月4日から6日までリスボンにて開催される国際会議、第18回 国際技術哲学会(Society for Philosophy of Technology)にて研究発表を行うことを目指す:【達成した】当該の国際学会にて、Panel: Social Implementation of robots in Japan and its ethical implication(Chair: Kojiro Honda)を主催することが出来た。 ④研究成果を応用哲学会、STS学会で発表する:【達成した】応用哲学会第5回年次研究大会にて本田(研究代表)が「ロボティックスに固有のリスクマネジメントは必要か」と題する口頭発表を行い、神崎(研究分担)が「道徳的被行為者性概念の検討」と題する口頭発表を行った。その他の学会においても、久木田(研究分担)が口頭発表を行うことが出来た。 以上の中で、特に論文集を発刊できたことが当初の予定以上の成果であったと言える。
|
今後の研究の推進方策 |
次のような計画(①~④)を進めていく予定である。 ①毎月一回、「ロボットの応用哲学研究会」を開催して、互いのテーマに沿った文献紹介および研究進捗状況の報告を行う。平成26年度は、問題を独自に解釈して、独創性の高い研究を進める。②ロボットを社会に実装するために活用される倫理綱領を完成させる。 ③日本哲学会にてロボット倫理に関するパネルを主催する。④研究成果を国際会議「応用倫理国際会議」(北海道大学)にて発表する。 ②の倫理綱領の作成については難航が予想されている。海外の研究動向をまとめる作業を急ぐつもりである。情報収集のために、2014年8月にデンマークで開催されるロボット哲学に関する国際会議に参加する計画を立てている。 当初あった、「大阪大学人間科学研究科GCOE「認知脳理解に基づく未来工学創成」においてロボット工学者と交流する」という計画は当該プロジェクトが終了したため継続することが出来なくなった。ロボット工学者たちとの交流については、別の方法(研究会の自主開催)で続けていく予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
海外出張旅費が想定より少なく済んだ。 残額は研究分担者にわけ、次年度の物品費に充てる予定である。 (分担金が1年目に集中しており、2年目以降の割り当てが少なかったため、研究分担者への割り当てを増やすことにした。)
|