研究課題/領域番号 |
25370042
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
井澤 耕一 茨城大学, 人文学部, 教授 (00455908)
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研究分担者 |
橋本 昭典 奈良教育大学, 教育学部, 准教授 (20379522)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 儒教 / 経学史 / 清末 / 皮錫瑞 / 劉師培 / 五経 / 今文経学 / 古文経学 |
研究実績の概要 |
本研究は、経学の成立とその後の歴史的展開について、従前の研究を実証的・批判的に検証し、新たな経学史の再構築の可能性を探ることを目的とする。そのために、清末の経学者である皮錫瑞(1850-1908)『経学歴史』および劉師培(1884-1919)『経学教科書』の訳出と、新注の作成を目標に置き、研究を展開した。本年度の研究の具体的内容は以下の通りである。 ①『経学歴史』新訳注の作成……今年度は後漢から六朝時代までを範囲として、経学極盛時代、中衰時代の新たな訳・注の作成を研究者各人が進めていった。 ②『経学教科書』訳注の完成……研究代表者の井澤耕一が、『経学教科書』清代部分訳注稿を作成し、『茨城大学人文学部紀要 人文コミュニケーション学科論集』第17号にて発表した。これをもって当該書訳注が本邦において初めて完成した。 ③研究会の開催……訳注作成は研究者間で分担して行ったが、その作業中に明らかになった問題点や課題を解決するために研究会を計3回(平成26年5月10・11日、8月7・8日、3月5・6日)開催した。研究会は関西大学総合図書館にて開き、各人が訳注を作成した際問題となった箇所を俎上に載せて、従来の研究成果を踏まえながら議論を重ね、改訂作業を行った。 ④湖南省長沙市における版本調査……平成26年12月20日から27日まで長沙市を再訪し、湖南師範大学図書館に所蔵されている『経学歴史』手稿本を閲覧・筆写して、通行本との相違を探った。作業は無事完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
湖南師範大学における手稿本閲覧・筆写作業は、当該書が中国国務院によって「第四批国家珍貴古籍名録」に登録されたため、困難を極めたが、現地関係者の尽力により、無事完了した。各人の訳注作成について、『経学教科書』は当初の計画以上に進展したが、『経学歴史』については、当初の計画よりやや遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、研究最終年度に当たるため、訳注作成速度を今まで以上に上げ、さらに研究会開催の回数と期間を増やして、期間内の計画遂行を目指す。
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