中国には古来より多種多様な占術が考案され、中世近世には膨大な数の占術書、術数書が著された。それらは社会に広く浸透し、暦注などとして今日に至るまで存続しており、東アジアの伝統文化を特色づける一大要素である。その占術の学問的輪郭や数理構造は、これまでほとんど研究されていないが、その理論的淵源は、近年に出土した一群の「日書」によって先秦の方術まで遡ることが判明した。 そこで本研究では中国における占術書、術数書を総合的に考究するための基礎的研究として「日書」文献を取り上げ、その方術理論を構造的に把握し、中世近世的な展開を検討することで、中国占術理論の形成過程や思想的、社会的な影響を探り明らかにした。
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