太陽を載せるエジプトの三日月の舟の観念は中国にも影響を与えたようだ。太陽が地を潜ったあと復活再生して天空に昇るように、死者もまた舟に乗ってあの世に復活した。中国では仰韶の墓に龍に跨る人の造形がある。龍の原形はワニであり、水平線から天の川を遡り、背に乗る死者の魂を天に運んだのだろう。龍の角は殷・周ではキリンで後に羚羊や鹿の角になる。角をつけなければ空にのぼれないのだろう。戦国から漢代にかけて龍と舟が結びついた。そして被葬者は龍の舟に乗り、あの世に復活再生するという観念が生まれた。これは扶桑の枝に再生する太陽とも重ね合わされた。死者が復活する初期の仙人の原形ともいえる。
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