本研究の目的は、ヴァイシェーシカ学派の存在論の新たな側面を<関係>概念の分析を通じて明らかにすることである。本研究では、同学派が説く<内属関係>と<結合関係>の2種類の<関係>のうち、<結合関係>の概念分析を中心に研究が推進された。分析は、同学派のサンスクリット文献である『カテゴリーと法に関する綱要』(6世紀)とその注釈書群(10~11世紀)の「結合関係の考察の章」に基づいてなされた。各文献の「結合関係の考察の章」の翻訳と解説、そして、それらの分析を通じて、<結合関係>の概念を<内属関係>との相違から明確にした。
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