研究課題
基盤研究(C)
ジナバドラ(ca. 505-609)が著した白衣派聖典注釈文献『ヴィシェーシャーヴァシュヤカ・バーシャ』の「ニフナヴァ・ヴァーダ章」の読解をすすめ,ジャイナ教の教団分裂と異端論争の考察を試みた.ジナバドラは,異端追放の戒律的根拠や異端と判断する手順については何ら言及しない.彼は教団分裂についての歴史的経緯を記すよりも,哲学的論争に注力しており,ナヤ説(naya)を駆使して異端批判を展開する.「ニフナヴァ・ヴァーダ章」は,教団の歴史的記事を装った哲学的論争の記録と言えるのである.個別の論争の内容は下記を参照されたい.
インド哲学