研究課題/領域番号 |
25370075
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大正大学 |
研究代表者 |
村上 興匡 大正大学, 文学部, 教授 (40292742)
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研究分担者 |
山梨 有希子 大正大学, 人間学部, 講師 (10646219)
長谷部 八朗 駒澤大学, 仏教学部, 教授 (30286687)
小熊 誠 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (90185562)
塩月 亮子 跡見学園女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90297979)
佐藤 壮広 大正大学, 文学部, 講師 (90385964)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 観光 / 墓地 / 戦争死者 / 本土化 / 沖縄化 |
研究概要 |
本研究では、沖縄における地域開発と文化変容(文化要素の再配置)に及ぼす「本土化」と「沖縄化」の相互作用を、より具体的にとらえることを目的として、主に那覇周辺地域の各市(那覇、南城、浦添、うるま、沖縄)をフィールドとして、(a)観光と(b)墓地、(c)戦争死者の遺骨の扱いの3点のそれぞれに対して、「(i)企画者側(自治体、主催者等)からの聞き取り調査、資料収集」を行い、開発事業の実態と影響について分析考察を行った。また「本土からの影響のあらわれ方」と、それに対する「沖縄独特の対応の仕方」という視点から、各々の変化の意味を考察した。平成25年6月に各研究班の調査成果は研究協議会を行い、研究視点の共有を行った。 平成26年2月、各研究班で沖縄本土での聞き取り調査および沖縄からの大阪府への移住者からの聞き取り調査を行った。沖縄県本土(那覇、南城、浦添、うるま、沖縄の各市)において、(a)観光と(b)墓地、(c)戦争死者の遺骨の扱いの3点が相互に関係する状況について合同調査を行い、現地にて研究協議会を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、現在沖縄で行われている「(a)沖縄的宗教文化要素の観光への活用」、「(b)地域の墓地に関する意識と墓地行政のあり方」、「(c)戦争死者の遺骨収集活動」の3つについて、平成25年度には「(i)企画者側(自治体、主催者側)からの聞き取り調査、資料収集」からの調査を行い、平成26年以降に「(ii)利用者側(参加者、地元の人々、観光客、墓地利用者)からの聞き取り調査、資料収集」という形で、その両側面からの調査を行うことを予定している。 平成25年度には、「(a1)沖縄県内のスピリチュアルな要素を活用しての観光事業について事業者側への調査(那覇市、南城市、糸満市)」と「(b1)墓地基本計画の分析と自治体からの聞き取り調査(那覇市、浦添市、沖縄市)」と「(c1)沖縄における戦争死者の慰霊行事への沖縄在住参加者(ガマフヤー(遺骨収集)活動や沖縄県平和記念財団等)、からの聞き取り参与観察調査」を開始し、ある程度の資料収集を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
主として「(ii)利用者側(参加者、地元の人々、観光客、墓地利用者)からの聞き取り調査、資料収集」を開始する。平成25年度行った調査についても、追加調査的に、適宜、継続する。「(a2)沖縄県内のスピリチュアルな要素を活用しての観光事業について利用者側への調査(本土の「沖縄」的イメージと、沖縄本来の文化要素とを比較し、特徴を分析)」、「(b2)墓地基本計画策定のために行ったアンケートの分析と墓地利用者からの聞き取り調査(那覇市、うるま市、南城市)」、「(c2)沖縄における戦争死者の慰霊追悼行事への本土側参加者からの聞き取りとアンケート調査、参与観察調査(沖縄在住者との比較分析)」の3つの調査を、それぞれの調査班が並行して行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
2月に行われた合同調査に同行する予定であった研究分担者が、日程をあわせることができず、参加することができなかった。行う予定であった調査は、部分的に、他のメンバーが分担する形で行ったが、結果として調査に参加した人数が少なくなり、使用予定だった研究費を使い残すことになった。 平成25年度に参加できなかった分担者が行う予定であった調査分については、その分担者が単独で行う。平成26年度の合同調査の参加者数を、予定より増やす形で、補足調査を行う予定である。
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