研究課題
基盤研究(C)
近代国家における公共性は「現代世代」の「人間」の利益を最大化することを前提とし、科学技術はそのための道具とされてきた。こうした近代的枠組みを批判し、過剰に人間中心的でも、現代世代中心的でもない倫理規範を提示するためには、死者との対話や未来世代への責任意識が欠かせない。本研究では、それを「不在者の倫理」としてとらえ、その基礎付けを行った。それは公共性の中に宗教をいかに位置づけるかではなく、宗教の中に閉じ込められてきた「公共性」を解放する試みとして展開される。
宗教学