研究課題
基盤研究(C)
1878年に東京大学は最初の外国人哲学教師としてフェノロサ(1853-1908)を招聘している。日本美術の評価者として知られるフェノロサであるが、東京大学での担当科目は哲学や経済学であった。彼が講義を通じて明治期の多くの思想家に影響を与えたことは聴講者の回想として伝えられるが、フェノロサの哲学関係の講義録はごく一部を除き未公開のままである。本研究では、高嶺三吉(1861?-1887)と清沢満之(1863-1903)が東京大学在学時に筆記した哲学関係講義録の一部を翻刻・翻訳してフェノロサの講義内容を公開し、これを通じて日本における最初期の哲学思想受容過程の一側面を解明した。
哲学