研究課題/領域番号 |
25370100
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長木 誠司 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (50292842)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | オペラ / ジャポニズム / 蝶々夫人 / ミカド |
研究実績の概要 |
ジャポニズム・オペラに関して、昨年は6月にロンドンのロイヤル・アカデミー・オヴ・ミュージックに資料調査を行い、サリヴァン関係の楽譜や資料を閲覧した。またそれと並んで、ロンドンの劇場の調査を行い、ロイヤル・オペラハウスの資料室およびグラインドボーンでの実地調査を行った。研究会発表では、その成果の報告を行っており、また現在大部の20世紀オペラの書物を準備中で(2015年内に平凡社より刊行予定)、その当該部分の記述にも、これらの調査結果を反映させている。 定期的に連載している雑誌では、オペラ関係のテーマを数回扱い、そこでもこれらの結果を踏まえての記述がなされている。 さらに、《蝶々夫人》関連では、長崎のグラバー邸に収蔵されている喜波禎子関連の資料を調査し、またそれを寄贈した関係者とも連絡を取って、チョーチョーサン歌いの当時の現実をヒヤリングした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リコルディ・アルヒーフとの連絡が予定通りには付かず、その調査が待たれるが、その代わりにロンドンでの資料調査で、《ミカド》関連の出版物や、この作品に関わる当時のメディア・イヴェント関連の資料を得た。その他、手に入れた楽譜や、多角的な既存文献を通しての研究は順調に進んでおり、オペラから各種ジャンルへの、同時代的な横の関連性やイヴェント的なつながりに関しては、かなり具体的なことが分かってきている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、6月に18世紀学会において、この成果を踏まえた発表を行い、また11月に予定されている国内学会で、同じくこの成果を踏まえた20世紀オペラおよびその研究動向に関する発表を行う予定であり、同時に20世紀オペラに関する大部の著作の中で、成果を踏まえた記述を行う。思いがけず、本務校の職務上、会議が多くなったので、日程的な調整が難しいが、可能ならば秋に、調査をかねて国際学会への参加、およびそこでの発表を予定している。
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