研究課題/領域番号 |
25370103
|
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
島添 貴美子 富山大学, 芸術文化学部, 准教授 (00432120)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 民謡 / 日本民謡大観 / 町田嘉章(佳聲) / レコード / 民謡調査 / NHK(日本放送協会) |
研究実績の概要 |
本研究は町田嘉章(聲)の遺稿および、町田が残した録音資料や楽譜資料の収集・整理を通して、日本民謡の調査し史を再考することを目的とする。特に、『日本民謡大観』調査・編纂におけるメディア(録音)と採譜の役割に注目し、町田が収集した歌の特徴、採集した資料の整理方法、採譜の特徴を明らかにする。28年度は27年度に引き続き、以下の調査を行った。 ①町田が残した録音資料のデジタル化:町田の蔵書を所蔵・公開している(財)日本民謡協会の協力を得て、町田が残したSPレコードのデジタル化作業を行った。(ファイル数151) ②元NHK局員で日本民謡大観事業に携わってきた稲田正康氏の協力で、(財)日本民謡協会にて、NHK日本民謡大観事業で使用された金属音盤の所蔵を確認し、整理・クリーニング・デジタル化作業を行った。(ラベル等撮影ファイル数456、デジタル化ファイル数213) ③NHKより借りている『日本民謡大観』関連資料(ダンボール74箱)のうち、昭和27~37年の調査ファイルの閲覧・整理を行った。 ④日本民謡大観の音源、これまで収集整理した町田資料および、NHKアーカイブスの資料を活用して番組制作・出演した。(NHKラジオ第2「音で訪ねるニッポン時空旅」2016年4月~2017年3月、30分、51回。2017年1月1・2日お正月特番、60分、2回。) ⑤(財)日本民謡協会で新たに発見した金属音盤について、「民謡研究の現在」シンポジウム(松山:愛媛大学法文学部、中原ゆかり)で口頭発表し、SP音盤収録からオープンリール収録への転換について、『歴博』201号のコラム「NHKと日本民謡調査」で発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年から持ち越した(財)日本民謡協会の町田SPレコード資料のデジタル化作業が終了したが、金属音盤を発見したので、その整理作業が入ってきたため、NHKから借りている『日本民謡大観』関連資料の整理が予定よりも進まなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
NHKから借りている『日本民謡大観』関連資料の整理を進めるとともに、これまでの成果をまとめ、国際会議で発表する予定である。また、ラジオ番組が継続となるとともに、民謡についての単行本の出版企画が決定したので、調査成果を番組と出版に還元したい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
国際会議での発表が決まったため、旅費にあてる。
|
次年度使用額の使用計画 |
NHK『日本民謡大観』関連資料の調査・整理費用にあてる。 国際会議での発表の旅費にあてる。
|