本研究は町田嘉章(佳聲)の遺構および、町田が残した録音資料や楽譜資料の収集・整理を通して、日本民謡の調査史を再考することを目的とする。特に、『日本民謡大観』の調査・編纂におけるメディア(録音)と採譜の役割に注目し、町田が収集した歌の特徴、採集した資料の整理方法を明らかにする。29年度は28年度に引き続き、以下の調査を行うととともに成果を国際会議で発表した。 ①昨年度、町田の蔵書を所蔵・公開している(財)日本民謡協会で存在を確認できた金属原盤の整理、クリーニング、デジタル化作業を行った。(ファイル数30) ②NHKより借りている『日本民謡大観』関連資料のうち、昭和38~47年度の調査ファイル、アイヌの音楽調査(昭和22~28年度)の閲覧・整理を行った。 ③日本民謡大観の音源、これまで収集整理した町田資料および、NHKアーカイブスの資料を活用して番組制作・出演した。(NHKラジオ第2「音で訪ねるニッポン時空旅」2017年4月~2018年3月、30分、51回、2018年1月1・2日お正月特番、60分×2回) ④ICTM(国際伝統音楽協議会)国際大会で研究発表を行った。(発表タイトル:Reconsideration of the History of Japanese Folk Song Research in the 20th Century: A case study of the Japan Broadcasting Corporation (NHK) folk song research project )
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