研究概要 |
9月には英国のブリストル大学に滞在し、近年、先史岩面画の新しい年代測定法である「ウラン系列年代測定法」を確立している、アリステア・パイク博士と共同研究を行った。スペイン北部のエル・カスティージョなどで測定された約4万年前という極めて古い年代の妥当性を検討した。さらに、パイク博士がイギリスで年代測定をした、クレズウェル・クラッグスの洞窟壁画を詳細に調べることができた。また、アイルランド、ダブリンの国立博物館と、イギリス、ロンドンの大英博物館で関連する資料を精査することができた。 12月には、京都で開催されたシンポジウムに招待され「美術の起源:ショーヴェ洞窟をめぐって」と題する研究発表を行い、参加者と有益な意見交換をすることができた。 1月には、スイスを拠点とするオンライン・ジャーナルであるMDPIのArtsに「Dating Petroglyphs from Fugoppe Cave, Japan」という年代測定を論じた論文が掲載された。 3月にはフランスのリヨンの考古学局に滞在し、ショーヴェ洞窟担当保護官のマリー・バルディーザ博士と打合せを行い、今後の共同調査を構想した。
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