研究課題/領域番号 |
25370106
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
東 賢司 愛媛大学, 教育学部, 教授 (10264318)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 隷書 / 石刻 / 墓誌 / 東魏 / 北斉 / 書体 / 書風 / 中国 |
研究実績の概要 |
1.中国現地調査 本年度は、河北省邯鄲・磁県での実地調査と北京・天津での文献調査を実施した。【邯鄲市博物館】茹茹公主墓を中心とする文物資料の収得、邯鄲周辺の石刻資料の所在地情報・地図情報の収得、北斉出土資料の情報獲得ができた。【ぎょう(業+おおざと)城遺址】河北省と河南省墓葬地域の墓葬配置の情報が収得でき、天子塚・豹祠・野馬崗の史跡の現状が確認できた。【ぎょう城博物館】2012年河北省磁県北呉荘村出土の3000体仏像の出土物や題記情報が得られた。【天津図書館】東魏・北斉の文物収蔵品と発掘報告等の文献資料が得られた。【天津市博物館】磁県周辺出土の文物資料の情報が得られた。【瑠璃廠,書店】中国南北朝時代の文献資料、漢字字書類等の工具書、楷書を中心とする書法資料の図書・地図が得られた。 2.学会発表 全国大学書道学会埼玉大会で「ぎょう城周辺に見られる東魏・北斉墓誌の出土地及び隷書再発現の具体的地点」と題した研究発表を行った。論の中で、東魏・北斉の墓域は「ぎょう城」西域に広く分布していること、東魏時代のの隷書墓誌銘発生地点は、紫陌の南部であることを中心に報告した。 3.文献整理 得られた情報を元に、「隋代墓誌データベース」及び「隋代墓誌銘電子データ」を作成し、文字データ検索が簡単にできるようなシステムを作った。また、墓誌銘の画像データもアクセスできるようにリンクを貼って簡便な利用が行えるようにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
昨年と本年度で、河北・河南のフィールド調査を実施できた。また、当初時間がかかると予想していたデータベースについても、700件程度の資料の電子化ができ、おおむね8割程度の完成度を達成することができた。
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今後の研究の推進方策 |
石刻における隷書資料の歴史を考えると、南北朝時代はその先駆けに過ぎず、隋代の隷書資料も確認をしておく必要がある。隷書という書体が隋代の石刻資料でどのように作られてゆくのか確認をする必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
中国調査に2回出向くつもりであったが、1回目の訪問に予定よりも多くの資金が必要になり、2度目の訪問が実現できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
昨年度訪問地と本年度訪問地をまとめて訪問し、調査を実施する。
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