| 研究課題/領域番号 |
25370107
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| 研究機関 | 愛知県立芸術大学 |
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研究代表者 |
井上 さつき 愛知県立芸術大学, 音楽学部, 教授 (10184251)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | ヴァイオリン / 鈴木政吉 / 楽器産業 / 近代日本 / 音楽 / 博覧会 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、戦前に日本を代表する一大産業へと発展した洋楽器製造に着目し、鈴木ヴァイオリンを事例として、その発展メカニズムと音楽文化とのかかわりを読み解き、さらに、国際的な文脈に置き直す試みである。
昨年度は中央公論新社から単行本『日本のヴァイオリン王―鈴木政吉と幻の名器』を刊行し、それに合わせてレクチャーコンサートや講演等を数多く実施した。具体的には、5月（愛知県立芸術大学室内楽ホールでのレクチャーコンサート）、6月（宗次ホールでのレクチャーコンサート）、9月（峰山会・名古屋市芸術創造センター）、10月（中川運河キャナルアート参加）、11月（メニコンホール「やっとかめ文化祭」参加）、このほかに講演も、岩倉市市民講座や名古屋商工会議所などで複数回行った。
紀要論文としては、畑野小百合氏との共著で「ベルリン高等音楽学校への鈴木ヴァイオリンの寄贈」について、執筆、掲載した。
今回の研究に付随して発見され、愛知県立芸術大学に寄贈された「幻の名器」については、東海テレビの「スーパーニュース」で特別に放送されるなど、大きな反響を呼んだ。
国内外の調査としては、宮内庁と東京藝術大学で鈴木ヴァイオリンの所蔵調査を行い、また、ベルギーでは鈴木政吉のヴァイオリンが出品されて金賞を得た1930年のリエージュ万博について、現地の古文書館で調査を行った。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
昨年度の5月に研究をまとめた単行本を中央公論新社から出版したことにより、今年度の研究が前倒しで進んだ。また、講演やレクチャーコンサート等を数多く開催することができ、その中で一般向けの啓蒙活動が可能になった。演奏を通じて、鈴木政吉が楽器職人として優れた技能をもっていたことが、改めて「音」自体を通じて、明らかになり、彼の歴史的位置が再確認できた。
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| 今後の研究の推進方策 |
今年度は研究の総まとめを行う予定だが、研究をまとめた書籍はすでに刊行したので、刊行後に明らかになった事実について紀要等で発表する予定である。
また、昨年度までに実施できなかった国内外での調査を続行する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
初年度に長期特別研修でパリに4か月間滞在したことから、当初予定していたヨーロッパ調査を取りやめ、その調査を2年度に回したが、2年度は著書とヴァイオリンがらみのレクチャーコンサートや講座等の啓蒙活動が多かったため、国外調査の計画を一部変更したことによる。
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| 次年度使用額の使用計画 |
昨年度までにできなかった国内・国外調査を実施し、旅費を執行する予定である。それに伴って謝金も発生する。
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