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2013 年度 実施状況報告書

クラシック音楽の演奏様式と電気テクノロジーの連関についての総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25370113
研究種目

基盤研究(C)

研究機関桐朋学園大学

研究代表者

沼野 雄司  桐朋学園大学, 音楽学部, 教授 (00322470)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード演奏研究 / 録音技術 / レコード
研究概要

本研究は大きく二つの課題、すなわち(1)レコードに代表される録音メディアの登場による演奏様式の変化について考察すること、(2)マイクロフォンに代表される録音機器の発達と演奏様式の関連について考察すること、を目標に立てている。
研究初年度にあたる2013年度において中心的な課題となっていたのは1900-1930年代(すなわちアコースティック録音から電気録音への過渡期にして、第二次大戦前までの時期)の録音音源の収集である。これについては大阪音楽大学ほかの国内施設、そしてワシントンDCのアメリカ議会図書館を1週間にわたって訪問し、SPレコードを中心とした資料の調査を行なった。また、様々な録音コレクターにも働きかけ、初期段階としては十分な資料をそろえることができたと考えている。
とりわけ当初からの収集目的であったピアノ音楽に関しては、ショパンの「ワルツ嬰ハ短調」(op.64-2)という定点観測曲を設けるとともに、1905年のミハウォフスキ、ドホナーニ、1906年のパデレフスキ、1907年のパハマンといったピアニストに始まる200種を越える演奏の録音データを入手することができた。当然ながらこれらの録音は最初期の特徴を様々な点で備えており、現在はその背景となっている機材(スタジオとその機材の詳細)についての調査を行ない、録音資料と比較する段階に進んでいる。同時に基礎文献の収集と消化についてもほぼ当初の予定通りに進んでいる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

先の「研究実績の概要」で述べたように、初年度の主な目標である資料収集については第一段階を完了している。また、基本文献の収集と消化についてもおおむね当初の予定通りに進んでいる。

今後の研究の推進方策

2014年度の大きな課題といえるのは、これら録音資料の背景(実際にどのような機材を用いて、どのような形で録音が行なわれたのか)について調査・探求すると共に、これらの演奏資料の分析方法を確立することにある。アコースティック録音と電気録音の差はほぼ明らかではあるのだが、しかしこれを定量的に記述する方法についてはまだ十分な方策が固まっていない。本年度は初年度に続いて資料収集の幅を広げると同時に、こうした方法論の探求が重要な仕事となる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] インディヘニスモとモダニズムの狭間で ――革命後のメキシコとC.チャベス――2014

    • 著者名/発表者名
      沼野雄司
    • 雑誌名

      桐朋学園大学研究紀要

      巻: 40号 ページ: 未定

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 20世紀の音響技術と新しい創作の可能性 ――E.ヴァレーズの軌跡から――2013

    • 著者名/発表者名
      沼野雄司
    • 雑誌名

      桐朋学園大学研究紀要

      巻: 39号 ページ: 19-36

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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