本研究が目標としていたのは、レコードに代表される録音メディアの登場による演奏様式の変化について考察すること、そしてマイクロフォンに代表される録音機器の発達と演奏様式の関連について考察することにあった。3年間の研究期間を通じて、最初期のレコード録音が様々な意味で「明確」な演奏様式の確立に貢献していたこと、他の演奏とは「全く異なる」様式の確立を加速したこと、さらには録音機器の発達によって演奏様式の微細な差異が可聴化され「演奏聴取の専門家」の登場を促したことなどが明らかになった。科研費による研究期間は既に終了しているが、今後も継続的に調査を進める予定である。
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