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2015 年度 実績報告書

変容する教育・伝統観―イラン系音楽家の教育方法に関する比較研究と教職科目への還元

研究課題

研究課題/領域番号 25370121
研究機関神戸大学

研究代表者

谷 正人  神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (20449622)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード民族音楽学 / イラン音楽
研究実績の概要

本研究課題はイランの音楽家達を対象に、それぞれの音楽教授方法の差異を、映像としてデータベース化する中からその変化の要因を考察するものである。それにより、かつてイランで行われていた徒弟制的な教育方法やそれを支える「教育・知識」観が、いかに多様なものへと変化したのかを探り、その成果を音楽教育学に還元することが目的である。
当初の研究計画では、主にイラン国外においてフィールドワークを実施する予定でいたが、現在のイラン情勢が新大統領となってから思いのほか安定しており、2年目からはイランでのフィールドワークに方向転換することになった。アメリカでのイラン系移民音楽家調査は、カリフォルニア州だけであっても地理的に離れた複数の都市を時間をかけて移動する必要があったが、2014年1月からのイラン調査においては全てテヘランにおいて達成することが可能であり、イラン国内において多くの教授法のサンプルを収集するほうがメリットが多いと判断したためである。イラン国営放送に勤めるVahid Rastegariから音楽家を紹介してもらい、音楽教授法の変化に関する説明およびインタビューを下記の音楽家たちの協力を得て行った。各氏について参与観察を複数回実施し、すべて映像と音声を記録した。トンバク奏者hamid qambari氏 声楽家hamid nurbakhsh氏 セタール奏者iraj dashtizadeh氏 サントゥール奏者kourosh matin氏 ウード奏者farnush tadayon氏
上記のデータ収集とそれらの考察からは、特にセタールやウードなどの身体性とそれに対応した教授の中身はサントゥールのそれとは大きく異なることが判明した。このことから「諸民族の音楽」の授業においては、音楽そのものだけではなく、楽器ごとに大きく異なる音楽認識の差異についても将来的には教材化が必要だという点を指摘した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 「音組織(音階)」2016

    • 著者名/発表者名
      谷正人
    • 雑誌名

      徳丸吉彦 監修/増野亜子 編『民族音楽学12の視点』音楽之友社

      巻: なし ページ: 47-49ページ

  • [雑誌論文] サントゥール演奏の新しい身体性―「楽器盤面の地政学」へ向けて2016

    • 著者名/発表者名
      谷正人
    • 雑誌名

      中東の音楽  出版社:スタイルノート

      巻: なし ページ: 未定

  • [学会発表] 「指で感じ理解すること―楽器ごとに異なる身体感覚・語法の研究」2016

    • 著者名/発表者名
      谷正人
    • 学会等名
      関西イラン研究会第46回研究会
    • 発表場所
      大阪大学箕面キャンパス(大阪府・箕面市)E棟学術交流室
    • 年月日
      2016-05-14
  • [学会発表] 伝統楽器サントゥールの新型調律システムについて2016

    • 著者名/発表者名
      谷正人
    • 学会等名
      第35回イラン研究会
    • 発表場所
      大阪大学豊中キャンパス(大阪府・豊中市)大阪大学会館会議室
    • 年月日
      2016-03-27

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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