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2017 年度 実績報告書

バロック美術におけるカトリック改革の影響についての総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25370132
研究機関神戸大学

研究代表者

宮下 規久朗  神戸大学, 人文学研究科, 教授 (30283849)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2018-03-31
キーワードカトリック改革 / イコノクラスム / 宗教改革 / カラヴァッジェスキ / エクス・ヴォート / 追悼絵馬 / 南蛮美術 / マカオ
研究実績の概要

カトリック改革が美術に及ぼした影響について、様式と図像の両面にわたって、対する宗教改革の果たした世俗化といった役割とともに広く考察した。具体的にはカラヴァッジョとカラヴァッジェスキを中心に、画像の意味や機能について研究した。いくつかのバージョンのあるペンショナンテ・デル・サラチェーニの作とされる「聖ペテロの否認」について、その様式と図像、意味について考察し、論文にまとめた。イコノクラスムを推進した宗教改革側のプロテスタントの思想家について、とくにルター、カールシュタット、カルヴァンの言説を検討し、カトリック側の画像に対する思想との違いについて調査し、同時にプロテスタント圏における美術図像の変化についても考察した。また、教会や宮殿の美術だけでなく、版画やエクス・ヴォートなどの民衆的な画像についても調査し、考察した。とくに、北イタリアやドイツのニーダーバイエルン地方に見られるエクス・ヴォートに供養や追悼の意味が現れることがあることに着目し(いわゆるトーテンターフェル)、クリス=レッテンベックの先駆的研究を出発点として広く文献調査を行うと同時に、山形のムカサリ絵馬、岩手県遠野の供養絵額など日本の東北地方に特徴的に見られる追悼絵馬や供養人形の様態と比較して、考察し、論文にまとめた。さらにイエズス会の図像が東洋に伝播した例として、マカオの美術や日本の南蛮美術についても調査した。サン・パオロ聖堂やギア要塞といったマカオにおけるキリスト教会の建築と壁画を現地調査し、そこに表れた漢字や竜といった非西洋的要素について考えた。また、「悲しみの聖母」をはじめとする大阪の南蛮文化館に所蔵される南蛮美術について、館の協力を得て調査した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] ルネサンスを破壊した宗教改革2017

    • 著者名/発表者名
      宮下規久朗
    • 雑誌名

      文藝春秋スペシャル

      巻: 2月号 ページ: 48、55

  • [雑誌論文] ヴァザーリとカトリック改革2017

    • 著者名/発表者名
      宮下規久朗
    • 雑誌名

      ヴァザーリ 美術家列伝

      巻: 5 ページ: 503、510

  • [学会発表] 信仰と美術-ルネサンスからバロックへ2017

    • 著者名/発表者名
      宮下規久朗
    • 学会等名
      大エルミタージュ美術館展記念、兵庫県立美術館
    • 招待講演
  • [学会発表] 日本美術とヌード2017

    • 著者名/発表者名
      宮下規久朗
    • 学会等名
      京都文化博物館
    • 招待講演
  • [図書] 美術の力-表現の原点を辿る2018

    • 著者名/発表者名
      宮下規久朗
    • 総ページ数
      267
    • 出版者
      光文社
    • ISBN
      9784334043315
  • [図書] 聖と俗 分断と架橋の美術史2018

    • 著者名/発表者名
      宮下規久朗
    • 総ページ数
      336
    • 出版者
      岩波書店
    • ISBN
      9784000612524

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公開日: 2018-12-17  

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