仏像や出土品に関して言えば地方文化を測る物差しは人により大きく異なる。本研究はそうした現状への試みとして鎌倉時代の仏像を中心とする文化財の地方的展開について実証的な視点から研究を行った。2014年度には多摩美術大学美術館において本研究を基盤とした特別企画展「祈りの道へ─四国遍路と土佐の仏像─」を開催した。高知県埋蔵文化財センター等の協力により3~13世紀にかけての金銅鉾、寺院跡出土の古瓦.定福寺六地蔵像、竹林寺阿弥陀如来像、北寺仏像群、名留川観音堂仏像群、上分大日堂大日如来像、佐川町阿弥陀如来像など高知県を代表する仏像を展観し、ここで光谷拓実氏による年輪年代測定法の実地検査などを公開した。
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