作例の調査を中心とし、そこから得たデータを基本として文献資料の確認を行い、西大寺流に関係する密教事相と宋風の影響を見いだし、伝統的な図様と変容していった図様について研究を展開させた。また、絵画作例のみならず版画作例にも焦点を当て南都における宋代版画の受容についても研究成果として論文を発表した。 一方、西大寺流の律僧出身で後に小野流の密教僧となり後醍醐天皇の護持僧となった文観房弘真については関係した一作例、関係と想定される一作例、後世にモデルとなった一作例を考察し、それぞれ論文とした。 以上、研究課題は論文として発表したが、高僧画像や宋版については継続的に研究を進めており今後研究成果としたい。
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