漆芸家・菅原精造について、遺族、関連文献・史料を調査した結果、次の事実が明らかになった。 1)菅原の漆芸技術の習得は、圓山卯吉が創設し運営した山形県酒田市の教育機関兼事業所「カワセ屋」での修行、従事に始まる。 2)菅原に漆芸を教えた師匠は、森川奇秀である。 3)菅原は、1901年9月に東京美術学校漆工科に入学し、同校に3年以上在学したが、卒業はしていない。 4)菅原は師の辻村松華とともに1905年11月18日に横浜港を出発し、1905年12月26日にパリに到着した。5)菅原とグレイ、デュナンの作品を比較した結果、漆芸技術だけでなく日本美術や文化の特性もが影響している可能性が見いだされた。
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