本研究は、人種の表象と社会的公正について考察し、戦争、テロリズムが次々と勃発する現代社会における「公共性」をトランスナショナルな視点から構想し新たに構築する可能性を模索するものである。とりわけ、デジタルメディアを用いた映像の製作と流通に目を向け、トランスナショナルな視点から人種とそのイメージを探究する新しい展開であり、研究成果は以下の二つの次元からなる。(1)人種と公共性をめぐる理論の再考と刷新、(2)デジタルメディア時代における映像によるエスノグラフィの可能性、具体的にはインディペンデント系映画、アーティストによる映像作品の考察、制作者および視聴者、鑑賞者へのインタビューを通した実証研究。
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