19世紀末から20世紀初頭の西欧において、東洋の芸術は単なるエキゾチシズムの表象として受容されていたわけではなかった。ウダイ・シャンカールや貞奴など西欧の外の東洋から来た芸術家達は、文明以前の原始の古代ギリシア同様、行き詰まった合理主義や発展主義の打開策として西欧の芸術家達の霊感の源となった。古代への回帰を訴えたイサドラ・ダンカンの踊りは、プリミティヴでシンプルだったがゆえに、舞踊のモダニズムの扉を開くことになった。ミニマリズムこそ現代芸術の特徴だからであり、そこには余白に美を見出す日本の芸術の影響が感じられる。19世紀的なオリエンタリズムは、ジャンル・ヌーヴォーを経てモダニズムへと昇華した。
|