①現代にわずかに残る「分割鍵盤を備えた鍵盤楽器(チェンバロやオルガン)」の試奏を通じ、通常の「音律」では平板に響いてしまうことの多い17世紀の鍵盤作品群が、分割鍵盤楽器の使用によって中全音律本来の特質を生かしながら魅力的に演奏できること、またいくつかの楽曲については分割鍵盤楽器に触れなければ本来の意図が理解しがたいことが明らかになった。②分割鍵盤楽器を知ってもらうためのレクチャーコンサート、及び東京藝術大学のチェンバロ専攻で学ぶ学生たちが実際に分割鍵盤チェンバロを演奏する勉強会やマスタークラスなどを行い、分割鍵盤楽器への興味を喚起するとともに、将来日本の教育機関に導入するための仕様を検討した。
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