研究課題/領域番号 |
25370165
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
湊 七雄 福井大学, 教育地域科学部, 准教授 (80436849)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ノントキシック版画技法 / 国際研究者交流 / 版画技法研究 / 普及システム |
研究概要 |
本研究の目的は、ノントキシック版画技法の普及システムについて、欧米(アメリカ・ベルギー、スペイン、デンマーク)における技法研究や普及に関わる活動の特徴とその成立条件を調査研究し、わが国における新たな技法研究開発・普及システムの構築に活用しようとするものである。プロジェクト初年度である本年度は、当該分野の先進国であるアメリカを対象に現在の普及システムの特徴について訪問調査を行った。また、国内の動向についても訪問・聞き取り調査を行った。 調査項目(A)普及システムの現状調査・分析:2014年3月25日~29日:アメリカ・サンフランシスコで開催された版画の国際学会「The 2014 SGC International Conference」の開催に併せて、主にアメリカの教育現場における普及システムについて、それぞれ異なる州の教育機関に所属する5名の研究者に聞き取り調査を実施し、有意義な知見を得た。また、サンフランシスコ・シティーカレッジ、サンフランシスコ州立大学、カルフォルニア芸術大学、カラ・アートインスティチュート、クラウンポイント・プレス(民間版画工房)を視察調査した。ノントキシック技法誕生から30年が経過したアメリカであるが、完全にノントキシック化を実現している施設はごく僅かである。今回の視察先はいずれもノントキシック化されていなかった。一方で、ノントキシックの部分的な導入は積極的に行われていることが確認できた。 調査項目(B):技法の体系化:関連資料・作品画像の収集については、アメリカ訪問調査中に積極的に行ったが、調査実施が年度末であったこともあり、それらの整理分析は現在進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
訪問調査は予定通り実施できた。調査項目(A)の普及システムの調査については順調に進んだが、その訪問調査が年度末であったこともあり、収集した資料の整理・分析には至って居ない。 調査項目(B)の画像収集については、ノントキシック技法を体系化し広く発信するために求められる十分な数の作品画像を収集できていない。ノントキシックは広く知られているものの、まだ実用レベルに至って居ないと判断されている向きがあり、ノントキシック技法で刷られた作品の絶対数が少ないことにも起因する。なお、収集画像には、元来ノントキシックである水性木版画等は含んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度に収集した資料を整理・分析し、積極的に発表する。 画像の収集については、本年度訪問調査を行う予定のベルギーとスペインで計画的に行う。また、研究協力者にも協力を依頼し、画像収集を効率的に行う。 大学美術教育学会(当番校:福井大学)で研究成果を発表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
翌年度の訪問調査に使用したかったため。 本年度前半に行う訪問調査に使用する。
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