研究課題/領域番号 |
25370165
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
湊 七雄 福井大学, 教育地域科学部, 准教授 (80436849)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ノントキシック版画技法 / 国際研究者交流(ベルギー) |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、身体や環境に有害な材料・素材の使用を控えたノントキシック版画について、この分野をリードする国々における技法研究や普及に関わる活動の特徴とその成立条件を調査することにある。プロジェクト(3年度計画)の2年目となる平成26年度の研究成果は次の通りである。 (1)普及システムの現況調査・分析:当該分野をリードする国内外の主要研究機関の訪問調査を行った。日本・ベルギー・オランダ・アメリカの研究機関やアトリエ等で指導的立場にある研究者・アーティストら十数名と直接コンタクトをとり聞き取り調査・資料収集を行った。ノントキシック化は版画制作の現場に共通した関心事ではあるものの、様々な教育的配慮・視座により、従来の技法に逆戻りする例も出て来ている。古典技法の伝承との兼ね合いをどのように取るべきかという共通課題に対する各機関の取り組みや将来構想に関する情報を集約できた。 (2)技法の体系化:当該分野をリードするゲント美術学校版画アトリエの全面的な協力を得て、ノントキシック技法による版画作品の画像の撮影行った。200点に及ぶ画像を収集した。これらの成果は次年度随時発表の予定である。 (3)普及システムの検証:ワークショップについては、福井県内の小中学校教員を対象とした研究会において教育現場でも活用可能な版画教材の紹介を行った。企画展については、ベルギー・セントニコラス美術館(6-10月)や東京での作品発表(3-4月)を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の核をなす現況調査は順調に進展している。しかし、収集した調査資料のボリュームが大きくそれらの整理が十分でない。次年度開催予定のワークショップや展覧会の準備は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
日本、北アメリカ、ヨーロッパの現況の具体的分析を進め、それらの成果を発表する。 平成27年度は海外トップ研究者を招いた講演会・ワークショップ・研究会・企画展を開催し、積極的に研究成果のフィードバックを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していたスペイン・バルセロナ大学美術学部への訪問調査を実行しなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度に訪問調査を行う。
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備考 |
成果発表発信の一つと位置づけているワークショップ・企画展についての情報を掲載。
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