研究課題/領域番号 |
25370165
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
湊 七雄 福井大学, 教育地域科学部, 准教授 (80436849)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ノントキシック版画技法 / 版画技法研究 / 国際研究者交流 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ノントキシック版画技法の普及システムについて、欧米における技法研究や普及に関わる活動の特徴とその成立条件を調査研究し、わが国における新たな技法研究開発・普及システムの構築に活用しようとするものである。本年度はプロジェクト3年目にあたり、当初計画では最終年度となっていた。しかし訪問調査予定地の情勢不安により渡航を28年度に延期することとし、補助事業期間延長承認申請を行った。 ○研究項目(A)普及システムの現況調査・分析について:過去2年間(平成25、26年)に、当該分野をリードする国内外の主要研究機関と民間アトリエの訪問調査・聞き取り調査を行い、ノントキシック技法を取り巻く現状と課題を調査分析する。○研究項目(B)技法の体系化について:関連資料・作品画像を収集し、ノントキシック技法を体系化する。○研究項目(C)普及システムの検証について:海外トップ研究者を招いた講演会・ワークショップ・企画展を開催し、積極的な研究成果のフィードバックの有用性について検証する。 (A) (B):平成25・26年度に行った聞き取り調査と収集した関連資料の整理・分析を行った。調査研究結果は版画学会・学会誌45号に論文(全8頁)として発表予定である。(C):ベルギー・ゲント王立アカデミー・エヴェラールト教授と指導法の共同研究を行った。2日間で銅版画の主たる3つの技法を指導するワークショップを開発し、国内2カ所(西宮市、つくば市)でワークショップを実施した。これらの成果をもとに、指導者・版画家向け技法書(A4フルカラー・全28頁)を共同執筆し、平成28年3月に出版した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究はおおむね順調に進展し、論文や技法書など研究成果の発表もできた。 一方、訪問調査を予定していたベルギーにおいてテロ脅威度の引上げに伴う注意喚起があったため、渡航を延期し、28年度に実施することとした。 そのため当初計画に変更が生じ、研究期間を3年から4年に延長した。
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今後の研究の推進方策 |
28年度中に訪問調査を行い、その内容をまとめ発表する。 なお、本研究課題は「国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)」の内定を受け、国際共同研究として継続発展させる事となった。 本課題では一部の国の調査に留まっていたが、国際共同研究によりその対象範囲を格段に広げたグローバルな観点でのデータ構築が実現し、当該研究領域に大きな進展をもたらすことが可能となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
訪問調査を予定していたベルギーにおいてテロ脅威度の引上げに伴う注意喚起があり、渡航を延期し、28年度に実施することとしたため。
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次年度使用額の使用計画 |
28年度に訪問調査を行う。
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