本研究は、アメリカの雑誌メディアを通して、ファッションと女性性との関係がいかに構築されたのか、その歴史的プロセスを考察するものである。19世紀後半から20世紀前半の女性誌・ファッション誌の言説とイメージを分析し、雑誌におけるパターンの次の役割を明らかにした。すなわち(本誌記事および付録の)パターンは衣服産業を促進するとともに、「モデルに従い、流行に倣う」読者女性たちの新たな振舞いを習慣化させた。雑誌は単に最新流行を伝達したのではなく、衣服制作の知識やパターン消費の手段を教授することによって、近代の女性をファッションの主体的享受者として育成する装置として機能したと言える。
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